不動産投資は建物を貸す事での賃料がほとんどですが、土地を貸す事で賃料を得る場合もあります。
土地を貸す場合に、駐車場にして利益を得る方法があります。
駐車場投資のメリット
初期投資が少ない
駐車場の設置には一定の資金が必要ですが、建物を建てるのに比べれば格段に安いです。
早く始められる
月極駐車場であれば、線を引いて看板を立てれば開始できてしまいます。
建物であれば色々準備が必要な事を考えれば、だいぶ早く開始できます。
狭い土地・変形した土地でも可能
建物であれば、ある一定の広さが必要で形もある程度整っていなければいけません。
ですが、駐車場は最低車一台置ければ良いので、狭かろうが形が変であろうが関係ありません。
すぐ他の方法で利用可能
住宅の場合、人が住んでいる状態では取り壊す事ができません。借り主が出て行かない限りは賃貸し続けるしかありません。
ですが、駐車場はいつでも契約をやめる事が可能です(サブリースは契約期間があるので注意が必要)。
駐車場投資のデメリット
税金が高い
固定資産税・都市計画税は、住宅があるかないかで大きく変わります。
住宅があれば住宅用地の特例措置によって、土地評価額は1/6に軽減されます。しかし、駐車場は更地と同じなので土地評価額は軽減されません。
また、相続税も同様に住宅があった方が土地評価額が下がります。
土地に対しての収益が少ない
建物からの収益であれば、同じ土地を利用したとしても賃料を高く設定できます。駐車場はそこまで賃料を高く設定できないため、土地に対しての収益率は低くなります。
立地に左右されやすい
周りの環境で車の利用状況が変わってしまう場合があるのと、駐車場自体は競合物件と金額以外で差別化するのが難しいので、値下げ競争になる可能性があります。
月極駐車場投資の経営
月極駐車場とは月単位で賃貸される駐車場です。書面による賃貸借契約が交わされます。車を購入する場合に必要な車庫証明での保管場所として認められます。
不動産投資は基本的に賃貸経営です。すべての行動を自分でおこなう人もいれば、すべて外注する人もいます。月極駐車場投資も同じで、考え方によって経営は変わります。
自主管理
経営に関わるほとんどを自分でおこなう方式です。すべて自分でおこなうため、委託料はほとんどかかりません。
ですが、初期投資はかかりますし、そこそこ時間は取られます。
駐車場投資は色々な行動をする必要があります。
駐車場の設置
駐車場は最低限、線を引く事と看板が必要です。
それ以外にも舗装や砂利での整備であったり、車止めの設置、歩道と車道に段差があれば切り下げもしなければいけません。
募集
何もせずに借りに来る人は多くありません。近隣の不動産会社に話をしておくのも大事ですし、最近はネットで調べる方も多いのでネットで検索できるようにしておくのも必要かもしれません。
駐車場代の回収
駐車場の代金を回収しなければいけません。すんなり支払う方であれば良いのですが、忘れたり支払いを拒否する可能性もあります。その都度、対応しなければいけません。
駐車場の整備・掃除
駐車場は作って、そのまま何もしなくて良いわけではありません。雑草も生えてくるでしょうし、ゴミが落ちている可能性もあります。掃除もこまめにする必要があります。
トラブル対策
駐車場内での事故であったり、近隣住民とのトラブルも対応する必要があります。
管理委託
駐車場の設置までは自分でしますが、その後の募集や代金回収を管理会社に委託する方式です。その分、委託料は数パーセントかかります。
住宅の賃貸に関わる不動産会社に依頼する事ができるので、他に不動産や仕事を持っている方の場合はこの方法を取られる方も多いです。
サブリース
駐車場の管理会社に土地を貸し、一定の賃料を受けとる方式です。
基本的に何もする必要がありませんし安定して収益を得られる一方で、委託料は他の二つよりは割高になります。
駐車場投資に限らず不動産投資は初期投資が必要です。土地を購入して始める場合はあまり利益が上がりませんが、元々土地を持っている場合は初期投資が少なくて済むこの方法がストレスが少ないかもしれません。
サブリースで月極駐車場の管理をしていただける企業さま
コインパーキング投資の経営
コインパーキングとは、不特定多数の利用者が空いている場所に駐車して、利用した時間分の料金を支払う駐車場です。
月極駐車場と比較すると、精算機やロック板の設置など初期投資がかかりますが、いわゆる日銭が入るので立地によっては収益が大きくなる可能性があります。
自主管理
機械の設置やメンテナンスは設置する会社に依頼して、他はすべて自分で管理する方式です。月極駐車場でもご説明しましたが、様々な仕事があります。
サブリース
これも業者に土地を貸して、一定の賃料を得る方式です。機械の設置も業者がおこなうので、貸し手は何かをする必要がありません。ただし契約を確認しておかないと、途中でこちらからやめる事はできませんし、逆に途中で契約を打ち切られる可能性があります。
駐車場の形態
駐車場はその形によっていくつか種類があります。
平面駐車場
いわゆる平置き駐車場です。
駐車場投資は基本的にこれです。立体駐車場、特に機械式の駐車場はメンテナンスがかなり負担になるため、ほとんど投資には向きません。実際に機械式はマンションで採用されている物が多いのですが、老朽化や住民の高齢化で利用減のために撤去するかメンテナンスを続けるかでしばしば問題になります。
立体駐車場
マンションなど敷地に制限のある場合は、立体型の駐車場が採用されます。
自走式
建物をらせん状に上がって行き、機械を使わずに自分で出入庫させるものです。一般的に下の方が駐車場代は高いです。
機械式
大きく昇降式と循環式に分かれます。
昇降式は上下二段になっている事が多く、地面に近い所はすぐに出せますが離れているとかなり時間がかかります。また、地下に収納される場合ですと、大雨による浸水被害もあります。
循環式は観覧車のように自動車を収納する方式です。置く場所によって時間がかかる事と、地震などで駐車場が損壊する場合があるので注意が必要です。
実際、東日本大震災の時に車が傷ついていしまったり、駐車場が数か月利用できなくなってしまう事もありました。
まとめ
駐車場投資は不動産投資のひとつですが、その特徴は建物から得る投資とは異なります。
その特徴をしっかり理解した上で、始められると良いのではないでしょうか。