不動産投資をする場合、名義を「個人」にするか「法人」にするかで、お金の流れが大きく変わります。
不動産の名義を個人にした場合
不動産投資を始められる方は、個人名義からが多いと思います。
収益にかかる税率は個人の所得税率
個人名義の不動産で収益が出たとすると、かかる税金は個人の収入を元に計算する事になります。日本の所得税は累進課税ですので、所得が上がれば税率も上がっていきます。
これはお勤め先から得ている給料(自営業であれば売り上げ)も合算されるので、所得が低い方であればそこまで課税される事は無いのですが、所得が高い方の場合は
短期での売却益は大きく課税される
個人名義の不動産の場合、売却すると所得税ではなく譲渡所得という別の課税方法になります。短期(5年以内)で売却すると売却益に対して大きく課税されます。
短期譲渡所得
所有期間5年以下で税率39.63%
長期譲渡所得
所有期間5年超で税率20.315%
注意して頂きたいのは、5年というのが買った日から売った日の間を指すのではなく、1月1日を5回またいだかどうかを指しています。
不動産の名義を法人にした場合
法人とは「株式会社」「合同会社」などを指します。不動産投資をする場合、このような法人を設立する手法があります。
収益にかかる税率は法人税等
不動産から得られた収益にかかる税率は、収益が大きくなったとしても個人ほど差が出てくるわけではありません。
現在の実効税率は29.74%です。
短期で売却しても税率は変わらない
個人では譲渡所得という課税方法が発生しましたが、法人の場合はそのようなものはなく損益通算されるので、他で購入など経費がかかった際にそちらの損で利益を下げる事ができます。
法人設立や決算時に経費や手間がかかる
ここまでは法人の良い所だけご説明しましたが、デメリットも当然あります。そもそも法人を設立するには、株式会社で20万円程度、合同会社でも6万円程度かかります。
さらに法人は決算が一年に一回必要になります。個人は確定申告で少々ややこしいですが自力でできる範囲内ですが、決算は税理士などプロでなければ難しいです。それが毎年数万円かかります。
不動産名義のまとめ
法人で名義を取得すると、税制上は有利な点が多くあります。
しかしながら経費がかかってしまい、1~2戸程度の小規模な不動産投資であれば損が大きくなります。拡大路線であれば法人をお勧めしますが、そうでないのであれば個人でも良いかと思います。
じっくり考えて選択してください。